鞘師里保 1st LIVE TOUR 2022 Reflectionに行ってきた

2022年の推し活始めです。が、このライブの話をする前に、わたしにとっての鞘師の話をさせてください。

鞘師を知ったのは2011年の終わり頃。Perfumeにドハマリしていることを知った友人が「モー娘。Perfumeの後輩いるんだけど、ダンスめちゃうまいから見てみて」と教えてくれたのがきっかけです。鞘師ファンなら誰もが知っているであろう、あの伝説の「Moonlight night 〜月夜の晩だよ」です。

なんだこの子は!!?声、まだ子ども!なのに高橋愛ちゃんと新垣里沙ちゃんとバリバリ張ってる……何者……?

衝撃でした。ビビビビビって目から脳の奥にかけて通電したような感じ。その後、年が明けて2012年1月8日、私は友人にハロコンに連れて行ってもらい、ハロプロ沼に落ちました。

ダンスから鞘師に惚れたわたしが最終的に鞘師を一番好きになった理由、それは「声」でした。魂を削るような切実な歌声。あの声に触れたくて、コンサートにも行ったし、コンサートDVDも買いました。

握手会にも行きました。アイドルの握手会に行ったのは後にも先にもあの一度きり。鞘師との握手、忘れられません。他の子はふわっとさらっとした握手だったのに、鞘師はわたしの手を引き寄せるようにぐっと握り、「ありがとうございます!」と、目の奥を覗き込むように真正面から見つめて言いました。当時鞘師はまだ中学生でしたが、握手の仕方がなんか、なんていうかこう……選挙活動中の熟練の政治家みたいな……。時間にして1秒もなかったかもしれないその瞬間に、エネルギーを流し込まれたような、鞘師が政治家だったら一瞬でこの人に投票しようと決めてしまうような、そんな引力に満ちた握手でした。(もっと他の例え方なかったか?)

ただ、さゆが卒業した後からなんとなく元気がないような、余裕がないような気がしていて。今だからこそ勝負だ、だから頑張ってほしいな〜!なんて勝手に思ってた。無責任にも、思ってしまってました。

2015年10月、わたしは海外出張から帰った羽田空港京浜急行の駅のホームで卒業のニュースを知りました。

卒業?え、なんで?まだ17歳だよね、まだこれから時間があるって、もっと応援できるって思ったのに、卒業?年末……?

ばたばたと涙が出て、何本も電車を見送りました。動けませんでした。

涙が出たのは卒業と聞いて反射的に「なんで」と思ってしまった、本人の意思・本人の人生なのに責めるような発想が湧いたことに対する自責からです。まだ10代の女の子に期待を押し付けすぎた。求めすぎた。大好きだから、楽しく幸せに過ごしてほしいと思ってた、それは間違いないはずなのに。彼女の重荷になってしまったかもしれない自分が許せませんでした。どうしたら良いファンでいられただろうかと、繰り返し自問自答しました。

なので、わたしにとって鞘師は単純に「推し」というだけでなく、「ファンとしてのあり方」を考えるきっかけをくれた存在でもあります。

とはいえ当時は亡霊のようになりました。応援することが追い詰めたり傷つけることに繋がるかもしれないと思ったら、何かや誰かを好きになるのが怖くもなった。ぼやっとしてることを周りに揶揄されたら「ロスなんです〜」なんてかんたんに話してたけど、実際のとこそんな可愛いものじゃなかったです。どちらかというと加害者意識に近かったかもしれません。

そんなタイミングで別の友人に「センターでメンバーカラーが赤で人の心を引きつける私生活ポンコツな子がいる」と言われてアイナナを始め、そのストーリーから「ファンのあり方」をますます深く考えるようになったのは、つながってるけどちょっと別の話。

しばらくハロプロの曲が聴けなくなったけど、鞘師がいつかステージに戻ってきてくれたらいいなと思うことは止められなかったけど、楽しく暮らしてくれてれば別に全然それでいいな〜、幸せを願うことは許してほしいな〜、と思えるようになって、元気も出てきて、ハロコンに行ったりできるようになって、他のグループのことも好きになって……。

そうこうしているうちに、あのひなフェス。家で配信を見て、涙で画面が見えなくなりました。鞘師がまたみんなの前に立ってくれた、そのことが本当に嬉しかった。

そこから例のサポート、インスタ、黑世界と怒涛の情報ラッシュ。からの、ソロ活動!去年のライブは行けなかったけど、でもまた歌ってくれている。歌って、くれている!!!

鞘師の歌に惚れて、鞘師が歌ってくれたらと夢見ていたわたしにとって、こんなに幸せなことはありませんでした。

そして昨年末、ドキュメンタリー映画を観て、深い葛藤の末に戻ってきてくれたことに涙して、周りの人達が鞘師のパーソナリティを大切にしてくれてることに安堵して(まじでなんの立場?)、そして感謝しました。

ここまでが前置きです。長いよ。

1月15日。私が昼公演、鞘師の存在を教えてくれた友人が夜公演を当てて二人で行く、はずでした。感染が急拡大し、友人が来られなくなりました。仕方がないとはわかっていても、一人で行くのはやっぱりどうしても無念だし、さみしかった。

でも実際にライブを見て、今回は確かに特別なライブだったけど、ステージでパワフルに歌い踊る鞘師を見て、「ああ、この先につながるライブだな」と。この先、友達と一緒に鞘師の姿を見る機会もきっとある。夜公演の終盤は終わってほしくない気持ちでいっぱいでしたが、「この先のいつか」を楽しみにできる幸せも感じていました。

何より、本当に最上のエンターテイメントで震えました。世の中もっと鞘師里保を見つけてほしい。

踊れば女版MJか!?というくらい格好いいのに、曲が終わればずっとにこにこ可愛いし、ちょっとポンコツなところは変わっていないし(愛おしい!)、Take a Breathではダンサーさんたちとめちゃくちゃ楽しそうだったし、嬉し泣きしそうな気持ちとカッコよさにギャーってなりたい気持ちとで頭も胸もいっぱいいっぱいに。最終的には「こまけえこたあいいんだよ!とにかく楽しめ!」と夢中でペンラを振ってしまいました。

Widing Roadでは、わたしを含め他人が持ってしまっていた勝手な期待も全部自分のバネに出来る強さを身につけて、その上でみんなの愛情を抱いて前を向いて歩いているように感じました。わたしも鞘師のように自分と向き合い、他人と向き合って、強さを身につけていきたい。鞘師よりだいぶ年上だけど。しっかりと日々を生きていくためのパワーをくれる歌声でした。

本当に素晴らしいライブ。エキサイティングであり、優しくもありました。次の5月には友人と一緒に行けるといいな。

以下、蛇足なのですが、今回の振り付け演出でjoinされてるNOSUKEさん、わたし宮野真守のライブで拝見して大好きになったダンサーさんだったのです。セブチのときも、わー!NOSUKEさん!と思ったけど、鞘師でもお名前お見かけできるとは!好きと好きのご縁がつながった。とっても嬉しかったです。

蛇足その2、鞘師がやってたラジオ『鞘師里保と○○と』の松岡茉優さんの回、全て首がもげそうなほど頷きながら、ところどころ泣きながら聴いていました。わたし松岡さんと同じ誕生日なんですよね……なんか鞘師を好きになる星でもあるんだろうか……。