アイドリッシュセブンとわたし

好きなものは数多くあるけれど、いま一番語りたい(そしてこのブログをつくるにいたった原因である)アイドリッシュセブン――アイナナとの出会いについて話しておきます。

201510月、出張帰りの羽田空港京急線の駅のすみっこでTwitterをひらいて知ったニュースに、人目もはばからずぼろぼろ泣いていました。モーニング娘。15鞘師里保ちゃん卒業発表です。以降、完全なる抜け殻になっていました。

12月の卒コンに行き、残るメンバーの素晴らしさに頼もしさとこれからの彼女たちへの期待を感じながらも、鞘師をうしなった心の穴は大きすぎて。(鞘師ファンの方はご理解いただけるかとおもいます)

年が明けてもぽっかりと開いたままの穴から流れ出る虚無に苛まれていました。

やがて20162月、友だちのUちゃんにKingdom of Prism応援上映に連れて行ってもらい、コウジのハリウッド行きからバトンをつないだシンくんの力づよい姿に海外に旅立つ鞘師とモーニング娘。16を重ね、すこしだけ救われた気持ちになっていました。

その帰り、夕飯に立ち寄った川崎チネチッタ近くのカフェでUちゃんが話しはじめました。おすすめのゲームがある、アイドリッシュセブンていうんだけど。

アイナナ自体は前年末頃におもしろそうだと気になってDLしてチュートリアルで挫折アンインストール。そのまま忘れていました。だから、あ〜名前は知ってる、でもわたしアプリのゲーム続かないんだよね、リズムゲームもにがてだし、とかなんとかいったような気がします。

ちょうど1部が完結し、2部開始の前あたり。ウッド調のテーブルを前にしてごにょごにょ渋るわたしに友だちのUちゃんからの猛烈なPush&Push(『いますぐここでDLして、ぜったいすきだから』)に圧倒されながら、とはいえUちゃんのおすすめにはずれはないからなぁ、とおもってその場でいれました。いまとなっては、感謝しかありません。

挫折ポイントだったチュートリアルを乗り越えれば、あとはもう怒涛のようにのめりこみました。どれくらい怒涛かというと、2016年にアイナナ関連につぎ込んだ課金やグッズの総額のことを考えると、軽く胃が痛むくらいです。会社員おたく、自制心がきかないとちょう危険。いまは自制心手に入れてます。大丈夫。たぶん。

一話一話のストーリーに心えぐられ、アイドルたち本人から顔のでてこないファンたちに至るまであらゆる登場人物の言葉に涙を流し、うれしいときには一緒にはしゃぎ、そしてMVでクルーザーに乗った彼らをみて「課金してよかった」と電話口でUちゃんと号泣したのはよい思い出です。

おとなになってから、ここまで心をゆさぶられた経験ってなかったです。とても貴重な体験を手にしている。そんなふうにおもいました。それは、人気が出て、お金をかけてもらえているのがわかり、感謝祭やアニメやライブや、そういうコンテンツが大きくなっていくさまや仕事として関わるひとたちに愛されている様子を見守れただとか、そういうことではなくて、わたしのこころのありようというか、うごきかたというか、とにかくとても内面的なことです。

年々若いころのような視野狭窄になるほどののめりこみかたをすることはなくなっていく自分を自覚していて、感性の老いのようなものを感じていました。おとなになり、落ち着きをもち、それはそれで年齢をかさねないともてないもので、たいせつにしたいことではあるけれど、やっぱりさみしさが増していくのは止められず。

それに、おとなになってアイドルが好きだというと、社会生活の中で少なからず言外の(笑)にぶつかることがあります。くだらない、気にしなくていい、そうわかっていながら、そういうものはわたしを傷つけ、揺らがせ、摩耗させます。

でもアイドリッシュセブンは、そういう傷や迷いもふくめて、好きだという気持ちを肯定して応援して背中を押してくれている、好きでいいんだ、好きなものを好きな自分を引け目に感じなくていいんだ、そんなふうにおもわせてくれました。これはアイナナがファンの気持ちと、アイドル側のその気持ちを受け取るにあたっての心構えの話まで、丁寧に描いてくれているからだとおもいます。

誇張でもなんでもなく、アイナナはアイドルファンとしてのわたしを支えてくれる存在になりました。

普段はツイッターで「もうむり……つらい……しんどい……すき……」くらいのことしか言ってないわたしですが、ちょっとまじめに語ってみました。

77日、8日、ほんとうにありがたく幸せなことに、Uちゃんとふたりで両日メットライフドームのアイナナライブに参戦できることになりました。このあと、別の記事でその準備について書き記すつもりで、その前に、わたしがいつ、なぜ、どんなふうに好きになったかを前提として記事にしておこうとおもいました。もらったもののおおきさや、思い出は語り尽くせるものではないけど、ちょっとだけ。

 

 

 

ちなみに、鞘師ロスはたまにフッと再発します。それとこれとは……話が……別なんだよ……